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天秤国―― Libra 十二国の中でも三本の指に入る肥沃な国土、安定した気候に恵まれており、全方位協調型外交をとる戦知らずの国である。 経済的にも均衡を保った発展を見せており、また沿岸に伸びる海峡は航海の安全上非常に有利な条件のため、支払われる関税も累積すると相当な額になる。 立地条件的にはとっくに獅子国に帰順していてもおかしくないが、現在でも独立を保っているのはひとえにその外交手腕によるものである。 西方諸国の一国と言う位置づけではあるが、外交の歴史上東方諸国とも懇意であることから双方の関係に亀裂が生じた場合は調停に尽力するという国際的役割も担うこととなる。 その長い平和に培われた文化は繊細かつ優美であり、都市のみならず農村の民であれ服飾や造形美術など生活に根ざした部分にも芸術を取り入れる余裕があることが特色である。 城や軍装なども景観やデザイン重視なのでおそらく攻め入られたら陥落は早いのだろうが、歴史の中でそこまで至ったことはない。 政治は二院制の国民議会によって決定され、王はその決定に対し拒否の権限を有しているが、この権利が行使されたことは数えるほどしかない。 |
