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宝瓶国―― Aquarius 他国の人々の記憶には御伽噺としか存在しない国であり、伝説では国ごと空へ飛び去ったという。 エネルギー資源としてはソーラーや風力など完全に循環性のものに移行しており、食料はバイオプラントや合成タンパク質、各サプリメントに頼っている状況である。 資源の循環構造に加え、外界との接触がないため経済活動はほぼ存在せず、貧富の格差も無い自由社会が作り上げられた。 完全自動化によって人々は生活の糧を得るための労働から解放されたが、決して享楽的あるいは保守的な国民性ではなく、とにかく余暇は何らかの創造・研究活動にあてられているようである。 政治形態は民主主義で議院内閣制、しかし上記のように経済概念が希薄なため、さほど政治は国民の活動に影響しない。 王家は基本的に政治に何の責任も負わないが、王政の根強かった古代において構築された装置のいくつかが王統を鍵としているためと、また象徴的意味合いの上で現在でも存続している。 |
