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白羊国―― Aries 国土のかなり広い面積を沿岸が占めるという独特の地形、大きく屈曲した湾は大型船の造船・停泊に有利な条件であり、実際的にそういった海洋技術の発達は目覚ましいものがある。 土地そのものも貧しくはないが、山林は造船の材料となるためそれを切り拓いて農地にあてるということは出来ず、また山を下ってすぐ海という平地の狭さや塩害の点を考慮に入れると決して農耕に向いた国ではない。 経済の中枢を担うのは外海を隔てた他大陸との大規模な貿易であり、しかも民の気性としては商人と言うより危険を冒してでも一発稼ごうというフロンティアスピリット溢れる冒険家に近いものがある。 政治的にはあまり厳密なシステムは存在せず、各大規模港がそれぞれに経済的にも力を持っているため、王と王家に認められた領主との協議による統治を主軸としている。 難事や貿易など何事にも王家が先陣を切ってきた歴史上、王権に対する民衆からの支持は厚くその分領主の権限はいくらか制限されている。 しかし国家として財政や行政の基盤が成立した時期は十二国の中でも比較的新しく、また他大陸の情勢の影響を受けやすいという難点もあり、安定感という観点からは未だ成長途中の国である。 王家もまだ一首長的な性格から抜けきっておらず、しかしそれ故に王統そのものが矢面に立ち外交や貿易においてどこまでも挑戦的な姿勢をとり続けることが可能となっているようである。 |
