十二の国が生きるには、世界はあまりに狭すぎた 今にして世に残るのは、両手の指の数ばかり 流浪の民の亡き祖国、ただ一人、命を繋いだ王統として 笑顔の下に信念を抱く、年若き王子は各地を巡り やがて 砂と岩とに閉ざされた、一つの国へと辿り着く ――act1 : 弓を引く者
いかに世界が狭くとも、奪い合うのが人の業 かくて生まれし大国の、見据える先は海の果て 己が全てを守るため、牙持つ王は狩をする その思いを継ぐべきと、教えを受けた王の子は されど 猛き心の奥底に、微かな迷いを秘めていた ――act2 : 玉座の狩人