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巨蟹国―― Cancer いくつかの列島によって成り立っている国であり、また波穏やかな内海に位置し河川にも恵まれているため恒常的な移動手段として小船が使われる水上都市が多く見受けられる。 一年を通し温暖で降水量に恵まれた土地柄で二期作や場所によっては三期作を行うことが出来、スコールや高潮などの不意の自然災害もあるが経済的には十分にカバーが可能である。 そういった余裕から国民に対する税の還元には積極的であり、病院や孤児院などといった国営福祉施設の充実が特色として挙げられる。 しかし外交姿勢はどちらかと言えば保守的で及び腰、自衛のための戦力を有してはいるが対外的に他国と軍事同盟を組むことはほとんど無く、また福祉国家の常として移民や難民の受け入れを拒む傾向にある。 国全体がいくつもの母系の共通祖先を奉じる集団・宗族から成り立つ社会であるためか、王家も基本として女王制を敷いており、王位継承権は優先的に女子に与えられる。 政治形態としては散在する島々や地域における宗族制度の首長と姻戚関係を結び、貴族化させることによって統括権を得た王家が采配を握っている形であり、地縁と血縁の二重構造でがっちりと味方を抱き込んでいる。 |